「グーグル和解問題」、どこが問題か? ●干場

業界の話題ついでに、月曜日に参加した勉強会のお話を。
いま業界を揺るがす(というか、たいして揺るがされていないところが問題の!?)『グーグル和解問題』!
出版ビジネススクール主催で、講師は、新潮社法務対策室 弁護士の村瀬拓男氏。
先日、わたしも講演させていただいた場だが、わたしの緩い話とは比べようもない、なんともリッチで知的な内容だった!)

●グーグル和解問題とは?

グーグル和解問題と何かというと(ご存知の方も多いと思いますが)、そもそもグーグルが、全米の図書館にある本700万冊をすでにスキャンし、有料で閲覧できるようにすると言い出したのが発端。これに対し、そんなこと、勝手にやるのはけしからん! 著作権を何と心得る!と、出版権をもつ出版社と著者が集団訴訟。
結局、次のような和解案で和解にいたりました。

1 絶版となった(流通していない)本のみを表示対象とする。
2   出版権利者は、デジタル化を許諾しない、あるいは、削除するよう求めることができる。その場合、迷惑料みたいなものが1冊あたり60ドル、グーグルから支払われる。
3 有料で閲覧された場合は、第三者機関を通じて、売上のうちの60%近くがが支払われる。

ほんとうはもっといろいろ細かいのですが(和解案の正式書類は、百数十ページに及ぶそうですから)、ざっくりいえば、まあ、こんなところ。

●なぜ日本も大あわてか?

アメリカでのことなのに、なぜ、日本にも関係あるかといったら、アメリカの図書館にも日本の本はいっぱいあるし、翻訳されているものだったら原著者としての権利もある。そして、ベルヌ条約(国際的な著者区件保護条約)と、クラス・アクションの適応で、アメリカでの和解案が、立場を同じくする他の国々にも適応されることになったから(←頼んでないのに!!)。

さらに、絶版本ならいいじゃないか、と思ったら、その定義が問題で、要は、アメリカ国内で入手が容易か否か、簡単に入手できないものは絶版と見なされるという。となると、日本の本は、ほとんどがグーグルのいう「絶版本」になってしまう!

つまり、黙っていると、知らないうちに、自分の本、自分の会社の本が、勝手にスキャンされ、有料で閲覧される可能性がある、ということ。

最初、すでにスキャンしてしまったものは、和解案を受け入れたうえで、5月6日(だったか)までに申し出れば、削除する、和解案を受け入れないか、申し出がなければそのまま、みたいなことが、3月だったか4月だったか、ほとんど時間のないうちに発表されたものだから大あわて。でも、9月に延長されて、少し息をつき、書協や大手出版社を中心に、対応が話し合われている。

●和解案のどこが問題か?

もちろん、グーグルがスキャンして、世界の人々に、コンテンツが役立つ形にしてくれて、しかも閲覧料の一部もくれるというのだから、いいじゃないか、という考え方もあるだろう。読者の立場だったら、これほど便利なことはない。

でも、

そうした「実」よりは、そもそも、著作権者に無断でスキャンしてコンテンツを自分の所に事実上、独占的に集積し、そして、売る、ということに、たとえそれが、知の共有という高邁な理想から始まったものだとしても、違和感を感じる、というのがみなの思いじゃないだろうか? 資本とインフラに物言わせて、やったモン勝ち、早いモン勝ちみたいで。

だからこそ、アメリカでは訴訟になった。もちろん、ただでさえ、他者のマネした物(

干場弓子の社長ブログ
2009/05/14 02:18



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