望月通陽展

 

編集長の佐伯です。

 今年一年、小平市にある松明堂ギャラリーで、望月通陽さんの様々な作品の展覧会が行われます。
 一人の作家の展覧会を一年かけて行うというのは、この世知辛い世の中で稀有なことです。それだけ望月さんの作品が、多彩で奥行きがあり、人を飽きさせない魅力に満ち溢れているということでもあります。
 望月さんには、「風の旅人」の第31号(4/1発行)から、表紙の裏表の作品を作っていただいています。第30号までの大竹伸朗さんとはまったく異なる雰囲気のものになります。
 31号からは、永遠の現在という大きなテーマに添って「風の旅人」を編集制作していくのですが、望月さんの作品からはいつも、今をのびやかに生きる自由な風とともに、古代から連綿と伝わる息吹きも同時に感じ、まさに「永遠の現在」に相応しいものだと思います。
 現在、松明堂ギャラリーでは、「舞台の布」というテーマで、望月さんが制作した舞台衣装の展示があります。
 それにともなって、古楽界を代表する歌手である波多野陸美さんが書かれているメッセージが、望月さんの作品を適切に語っています。

 「望月さんの布を纏うには、気合が要ります。身に着ける際にまず心の背筋を伸ばし肚をすえなくてはなりません。
 望月さんの布は恐ろしい。寡黙な空間から発せられるエネルギーは強く、着る側に気合が欠けると、布に「着られて」しまう。すると人体は単に凹凸のある衣紋掛けとなる。
 それは何より布の美しさを損なうもととなり、本当に恐ろしい。
 そうした覚悟の上、布を纏う。 
 すると麻や絹が軽やかに、自然の色は暖かく、身体を包んでくれる。
 描かれた線と自分は呼応し始めるが、それにはもちろん音楽がなくてはならない。
 体内を巡る血や呼気と同じく、布に描かれた線は歌とともに走り始める。
 でも望月さんの線と色はいつもこちらに問いかけてくるようで、やっぱり背筋は伸びる。
 お前の歌は地面とつながっているか
 お前の歌は空気のように自由か」                             波多野睦美・歌手

 そして、松明堂で4月から行われる望月さんの作品展のテーマは、「鉄 いのちのかたちたち」です。

 「風の旅人」の31号が出る4/1ですが、望月さんのこれらの作品は、一枚の鉄板からプラズマで切り抜かれたものです。
 その切り口が、とてもいい感じなのですが、それはプラズマならではのものです。 
 望月さんが「鉄」を作品にするのは、初めてですが、直観的に、プラズマの切り口と呼応するものがあったのでしょう。
 この作品の制作段階のものを、望月さんのアトリエで見た時、自分の根の部分が強く揺さぶられました。そして、その制作方法を聞いて、さらに驚きました。
 実は、「風の旅人」の第31号から、偶然にも「プラズマ」に関する特集を組んでいるのです。プラズマは、宇宙の摂理を司っています。望月さんは知識としてそれを知ったのではなく、鉄の切り口に、直観的にそれを見出したのでしょう。
 望月さんの原始的な直観には、本当に驚かされるばかりです。

松明堂ギャラリー 東京都小平市たかの台44-9 042-341-1455
      

2008/03/04 15:52



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