WOODSTOCKとMarshall~我が青春のウッドストック 後編

最初のころは動くジミやフー見たさに映画館に通っていたのはご多聞にもれません。ところが、演奏シーンだけ見て他は器用に寝ておくなんて器用なことはなかなかできません。前編観なきゃならない。そんな具合でこの映画、見る回数を重ねているうちに演奏シーン以外にも楽める個所が増えて来たんですね。ま、これが「観念」というのでしょうか。映画を通じて当時のアメリカの若者の自由な言動に接することは驚きそして憧れでした。そして、あのカメラワークというか編集。もちろんピート・タ ウンゼンドが空中で止まるところや、サンタナでマイク・シュリーヴがドンと出てくるところ(あのハンド・クラッピングだけででゾクっと来ますよね?)、カントリー・ジョー・マクドナルドの大俯瞰、黒い鍵盤に置く手のアップから始まるスライ&ザ・ファミリー・ストーンなど枚挙にいとまがありません。ジョー・コッカーのオルガンのイントロもスリリング。演奏以外のシーンでもノーマン・ジュイソンもビックリのマルチ・スクリーンも最高にカッコいい。そりゃそうでしょう、マーチン・スコセッシが編集スタッフに加わっていますからね。堂々たる出来です。始めはおっそろしく長く感じた3時間半も何回も見ているうちに飽きるどころか、だんだん短く感じてくるという始末。会場となったべセルの農場主、マックス・ヤスガーのスピーチも実に感動的。「マリワナ…」とささやくジェリー・ガルシアの姿も「すごい人!」と驚くジャニスの姿も印象深く、オリジナル・バージョンに演奏シーンがなくても動く姿が見えるだけでうれしかったのです。

その点、映画で未収録の映像が加わったバージョンはそういった流れを壊してしまうキライがあってチョイとなじめませんでした。そりゃオリジナル・バージョンでは見ることのできなかった、ジャニスやグレイスの演奏シーンが見れるようになったのですから嬉しい限りなのですが、オリジナル・バージョンにあまりにも慣れ親しんでしまっている私らは、こちらのバージョンは「記録」として捉えざるを得ません。つまり、一種のミュージック・ビデオ。

サウンドトラックももちろんすぐにゲットしました。LP3枚組で当時はかなりお小遣いを貯めなければなりませんでした。これも買って驚きましたね。だって映画と関係ない曲がワンサカ入っているわりにはリッチー・へヴンスの「ハンサム・ジョニー」やザ・フーの「サマータイム・ブルース」は入っていないわ、アーロ・ガスリーはテイクが違うわで不思議いっぱいでした。いったい映画のどこにジェファーソン・エアプレーンが出てたのよ?!と子供心に不満に思ったものです。でもかなり聴きこみました。結局大好きになった。ジョー・コッカーの「ウィズ・ア・リトル・フレンズ~」のアレンジがジミー・ペイジによるものだったことを知った時にも結構驚いた。「や~っぱスゲェわ、ツェッペリンって」って。

さらに後年驚いたのは、アーティストの出演順がリッチー・へヴンスを除いて実際と恐ろしくかけ離れていたということ。これは少し幻滅させられたかな~。映画の方がいいに決まってる!

そういえば1976年「日本のウッドストック」的な触れ込みで「ローリング・ココナッツ・レヴュー」という捕鯨禁止キャンペーン・コンサートが開かれましたね。リッチー・へヴンス、カントリー・マクドナ ルド、ジョン・セバスチャンなど本当にウッドストックに出てた連中がやって来るってんで私も見に行きました。

マーシャル・エッセイ
2009/08/07 09:00