1-0に感じるレスリングの“美学”十日町(新潟)での全日本合宿も終盤です。疲労度は半端じゃありません。1日に2度もマッサージが必要なほど…。体力面だけでなく、合宿ではレスリングの基礎も徹底的に洗い直してます。練習がマンネリ化すると、忘れがちな部分も出てきますからね。
具体的にはタックルに入るまでの「崩し」や「いなし」が中心です。今回の合宿では日本協会の富山強化委員長にも指導していただきました。けっこう単純なことなんですけど、何気なくやっていた動きにも、ちゃんと意味があるということを再確認できました。
レスリングにはタックルなどのスタンド技とローリング、アンクルホールド、またさきなどのグラウンド技があります。私はグラウンド技が得意と思われているかもしれませんが、それは相手が弱いときに限ってのこと。3月のアジア選手権では練習の成果が出たのですが、腰が重く体が柔らかい欧州勢相手ではそう簡単にかかりません。
よって、相手の両肩をマットにつけるフォール勝ちも至難の業。私が理想としているのは1―0でピリオドを取る試合です。これは守り重視というわけではありません。無理に踏み込まず、接戦の中で確実に1点を取る。2点や3点取ってというよりも、なぜか1―0にレスリングの“美学”を感じます。
技にこだわりはありません。五輪は一番いい状態でマットに上がることが大事。そうすれば自分らしい試合ができると信じて、いまは練習に打ち込んでます。
(伊調 馨)
◆伊調 馨(いちょう・かおり)1984年6月13日、青森・八戸市生まれ。23歳。綜合警備保障所属。中京女大高―中京女子大出。レスリングは3歳から八戸クラブで。02年世界選手権で初出場初V。以来、07年まで5連覇中。04年アテネ五輪を含め6年連続で世界女王に。07年5月のアジア選手権は故障で1回戦不戦敗、4年2か月ぶりの黒星を喫した。166センチ。
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