連載小説「ミナミセンバフットサルチーム」その4その4
「実は社長をスポーツバーSB離島から連れ出したのは僕なんです。そして…」
相撲部は店内でナカやんから、そっと手渡されたお金を後輩達に預けて、先に帰らせてからナカやんにちょっと話があるんでと誘い出し、人のいない裏道へ二人で歩いて行く。
「…そして、その歩いてる途中もあの1ヶ月前のフライデー事件のことを言うか?、言わないか?、を凄く迷っていました。少し酔った勢いもあったんですが、ただこれは言わないとそろそろ取り返しのつかないことになりそうなのは、なんとなく分かっていたし、こんな驚愕する話を黙っている自分が怖かったのだと思います。そして勇気を出して社長に伝えました。」
(裏道での相撲部の回想トーク)
あっ、あ、えっと、あの~社長、今から言うことはびっくりしないで下さいね、絶対に落ち着いて、びっくりしないで下さいね。
実はなかよ卯のあの子には、男が居てまして彼女は男と同じマンションに同棲してるんですよ……
と1ヶ月前のフットサル場での独断追跡調査の一部始終をしどろもどろに説明した。
「そして社長は僕にこう言ってくれました。」
(相撲部が回想するナカやんの話)
まぁ彼女位に綺麗やったらそんなこともあるやろなぁ。残念やけど仕方ないよなぁ~あっそうか~やっぱりかぁ、うん、うん、分かる、そうやなぁ~でもね相模ちゃん、俺に言いにくいのに勇気出して言うてくれてホンマ有難う。
「と、社長は言ってくれて僕も社長の気持ちを考えたらなんだか泣けてきて、二人で泣きながら缶珈琲を飲んでその場は別れたんです。社長が元気なくなって、なかよ卯に行かなくなったのと船場界隈に呑みに行かなくなったのはこの時以来です。
勿論皆さんが請求された18万ごときで腹をたてている訳じゃないです。社長は凄い大金持ちじゃないけど金欠ではないので大丈夫です。
ある日社長は大失恋したそのやりきれない気持ちから、僕を連れて新古ベンツを買いに行ったんですけど、最初は値段が¥5574000-つまりゴーゴーな(か)よ、おーだったんで、社長は気分じゃないと¥5141800-コイシイナーに値切ったんですよ。
けど、それじゃぁ余計に未練たらし過ぎるんで、金額明細を見ながら社長が傷つかないように、ここは前向き思考で、男らしく思える相撲の掛け声、コイイッ~、ってことで¥5110000に値切ったんです。でも次の日に僕が1人で乗り込んで最終価格なんと¥4989000に独断能力を駆使して値切り倒しました。
あと最近毎日新地に行ってるのは、卯女さんに似た女の子を見つけに独りでキャバクラやクラブを回ってるみたいです。僕も2回程ついていきましたが…」
確かに我々【南船場ケーサツ(計札)】の推測していたナカやんの元気の無さについて探ることは出来た。
しかし相撲部の話もふまえるとナカやんの落ち込み方は、我々の予想を遥かに越えていた。
ブンちゃんがそれを考え込むと、若手ラーメン店主が斬り込んだ。
「ちょっと今の話の中で気になる点は多々あるんやけど、まず、初めに言うけどね、相撲君、君が皆さんが請求した18万ごときって言う言い方するのはおかしいな!
これはお前とお前の後輩の仕業やろ、確かにアノ時俺は居なかったから喧嘩の仲裁出来んかったし、仲裁にルンバダンスに大活躍したんは君らやからね、それは流石やけどな、暴力が本職の方々やチンピラに頼んでも素人同士の喧嘩仲裁にそんなに金はかからんぞ!
それに俺がいかれへんような新地の高級クラブに行きやがって、いつも10日分の飯を1回で食いやがって、お前はナカやんのただのデブヒモ!いやヒモデブや!」
と欧風ラーメン店「ポリス麺」を営むケイジが開口一番に怒鳴りつけた