球音を楽しむ日 1

今日の原稿書きは、鉛筆を選ぶ。

僕はPCは使用しないので、万年筆か鉛筆である。

万年筆のインクの色は、

ブルーブラック、ターコイズ、茶、紫、 ロイヤルブルー、と 何色もあり

気分によって選ぶ。

しかし今日は鉛筆、濃さはBである。

何故今日はこの様な選択にこだわるか、と言うと

数年前の六月に実施された「球音を楽しむ日」の事を

書こうと思ったからである。

あの長嶋監督か桑田選手会長からの

「ボールがミットに収まる音、バットがボールを弾き返す音を

楽しんでください」というメッセージ。

応援の鳴物を禁止した。

つまり、ピッチャーの投げるボールが

キャッチャーミットに収まる時の革の音の響き、

ホームランのキーンという破裂音が場内をこだまする。

ショートにボールが飛ぶ、ボールに向かって土を蹴る音、

ショートが一塁へボールを投げる、一塁手が受ける革のファーストミットの音、

ランナーの駆ける土を蹴る音、アンパイアの声。

あとは場内の拍手だけ。

小学校の頃、野球を見に行った時と同じ光景を想像した。

ここで、今日は鉛筆にした理由が分かったでしょう。

四百字詰め原稿用紙に字を書く音。

その鉛筆数本を、鉛筆削りでガリガリ削る音。

消しゴムで文字を消す音。

漢字が分からず、辞典をめくる音。

辞典の紙の指触り。

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2010/01/27 00:00



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