さよならNetscape、こんにちはWeb 2.0Netscapeのサポートがこの2月に終了するというニュースが昨年末に流れた。それを記念(?)して、「さよならNetscape」というイベントが先日開催された。
一時代を築いたブラウザが世を去るというのは感慨深い。
当日、所用があったので参加できないかと思ったが、帰宅途中渋谷で乗換だったので、ふと気が変って、そのままずんずんイベント会場へ行く自分がいた。
なぜ、そこに引き寄せられたのだろう。気がつくとイベント会場にいた。
会場にはお久しぶりの人達がいっぱいいて、神田さんが誰かが作ったブラウザの年表を見ながら90年代のインターネットの事を語っていた。
ビールを飲みながら皆さんのお話を聞く。NetscapeがAOLに買収されて10年後にサポートを終了する。まあ人はいろいろ失敗の理由を言うが、後づけの理屈のような気がする。
次のビールを飲んでいたらマイクがまわってきた。酔いも手伝って、「モジラの解剖」のお話をはじめる。スイッチが入った。一気にスイッチが入った。
モジラの解剖というのは、当時シリコンバレーにいたわたしが書いていた、モジラの解体新書とも言うべきWebのページで、どのようにビルドするかとか、どのようにハックするとかを載せていた。
10年前にNetscapeはそのソースコードを公開し、それをモジラと名付けた。98年1月23日にそのプレスは発表された。その衝撃。3月31日のソースコード公開までわくわくしながらそれを待ち、当日28Kbpsのモデムで2時間かけてピ〜ヒャラピ〜ヒャラさせながらダウンロードしたのである。それから数ヶ月、夜中に自宅でハックした作業について書いたのが、「モジラの解剖」だったのである。
昼間はOracle 8.1(後にOracle 8iと呼ばれる)のエンジンを開発しつつ夜中にモジラを解剖する。そのような体験をするのは生まれて初めてだ。なんだかとんでもない事が世の中でおこっている。そのワクワク感、ドキドキ感を綴った。思いのたけをふりしぼって書いた。
誰かに向って書いたわけではなく自分の正直な気持をストレートに書いていった。
それが「モジラの解剖」だ。
10年後、渋谷で「さよならNetscape」というイベントで、そんな事を、おじさんの昔話として語った。そうしたら会場にいた何人(!)もの人が、よしおかさんの「モジラの解剖」を読んでいましたよ、あのページを見たからモジラに興味を持ったんですよ。Software Design誌に載った、よしおかさんの記事を読みましたよ。あの記事を読んだんで、今ここにいるんですよ、と言われた。
10年前、誰のためでもなく自分のために書いたウェブのページ。シリコンバレーで書いたページを日本で読んでいた人に、10年後、渋谷で再開する奇跡。
涙が出た。嬉しかった。
ああ、Netscapeは自分の人生を変えちゃったんだなあ。
オープンソースというパラダイムは随分大きな転換だったんだなあと思った。
2000年4月に日本オラクルのセミナールームでMozilla.party.jpを開催した。当日集まった多くの人もわたしの「モジラの解剖」を読んでくれていた。そして、その時の嬉しさも楽しさもよみがえった。
インターネットにはネガティブな事もいっぱいあるが、誹謗や中傷や犯罪もあるけど、自分の書いた一遍のページがインターネットの誰かにつたわって、それが10年後、大きな利子をつけ自分にめぐってくる。
インターネットの奇跡。
そして、その次の日、その興奮さめやらぬテンションをたもったまま、ITPro EXPOでアプレッソの小野さんと対談した。
当初はモデレータの真島さんの質問に二人が答えるという静的な構成を考えていたのだが、小野さんの話を聞いているうちにスイッチがはいってしまって、どんどんどんどんWeb 2.0時代での自分語りの話になってしまった。
世界中で自分のページを読む人がたった3人しかいないとしても自分に正直に書く。たった3人だとしても、あなたのページを読
コメントを見る (2)
コメントを投稿