アンノウン2011年5月7日より新宿ピカデリーほか全国にて公開
2011,アメリカ、ドイツ,ワーナー・ブラザース映画
© 2011 DARK CASTLE HOLDINGS, LLC
自動車事故から目が覚めると、最愛の妻をはじめ、誰一人として自分を覚えている人間が居ない・・・。『“身元不明”の男が、自分のアイデンティティを取り戻すための戦いを描くサスペンス・アクション』 という宣伝文句に、正直「あぁ、またこの手の作品ね・・・」と、ボーン・アイデンティティ以降まったく新鮮味を感じなくなった“身元不明系サスペンス”。
正直、全編ベルリンを舞台にしていなかったら、たぶん観ることは無かった作品だ。
ところがこれが予想外に佳作だったことが嬉しい。いわゆる“ボーン系”だと観る前から一緒くたにしていたことに少々反省した。最終的に自分のアイデンティティを取り戻すお決まりのストーリー展開に変わりは無いのだが、“ベルリン”という、未だどこか時代錯誤を感じる都市を舞台にした製作者の意図がチラホラ垣間見られる。作品中に終始漂うモヤモヤとした陰鬱な雰囲気や漠然とした不安が、ベルリンの冬景色に妙にマッチしていて、街自体が演出に一役かっているようだ。撮影場所はほぼ全てが旧東ベルリンエリア。監督のこだわりを感じる。
旧東ドイツの秘密警察シュタージだったことを誇りに生きているユルゲンという現役探偵が登場したときには、思わず心の中でガッツポーズをしたほどだ。ユルゲンはシュタージ時代に築いた人脈や動物的勘、観察力を最大限に生かし、主人公の身元を突き止める。
脚本構成も最後まで目の離せない展開になっており、意外なツイストのきいたスクリプトを目の当たりにして、食わず嫌いをした自分を悔いた。舞台が馴染みのあるベルリンの街だという贔屓目を除いても、悪くない出来だ。
コメントを見る (1)
コメントを投稿