『美しすぎる母』監督:トム・ケイリン インタビュー

様々な“タブー”を描いているのは意図的です

出席者:トム・ケイリン

実際に起こった息子による母親殺害事件を基に執筆された原作「SAVAGE GRACE(直訳「野蛮な優美さ」)」を映画化した本作。主演に演技派ジュリアン・ムーアを迎え、美貌とカリスマ性で人々を惹きつけたと女性がアメリカの大富豪ベークランド家に嫁いだ1940年代から1972年にロンドンで殺害されるまでを描く。2007年のカンヌ国際映画祭監督週間に正式出品された衝撃作『美しすぎる母』

今回はタブーの愛を映画化した『恍惚』で監督デビューをし、本作の監督でもあるトム・ケイリンにお話を伺った。

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映画化にいたるまでの経緯と、ここだけは忠実に再現したいと思われた所があったら教えてください。

■トム・ケイリン(以下、トム):「原作を読んで、それがすごく美しく、そして悲しい印象を受けました。フィクションではなく事件簿のような形で書かれているので、様々な心象風景が見て取れました。実際の殺人事件も凄いのですが、原作のおもしろいと思った点は、取材だったり、手紙、書簡といったものを多用していて、それぞれの関わった人達の視点で書かれているところです。
それを映画化する際に何よりも大切にした事が「心の動き」です。エモーショナルな部分は決して歪めず、真実のあるがままを描くというところは忠実に再現しました」

では脚色するにあたり気をつけた点はありますか?

■トム:「もちろん物理的に変えた部分もあります。今回撮影はすべてスペインで行いました。しかもスペインの出資があったのでスペインのキャストだったりスタッフだったりを使わなければなりませんでした。
例えば、劇中にスペイン人の夫婦が出てきますけれど、原作ではイギリスの方です。また、アントニーのボーイフレンドのジェイクも原作ではイギリス人の男の子でしたし、不倫相手のブランカもフランス人の女性でした。でも映画ではすべてスペイン人に変えています。ただそれは設定が変わっただけであって人間関係は一切変えていません。

また、この映画は1946年から72年までの26年間という長い時間を描くということで、クリエイティブな面では大きな挑戦でした。私にとってエキサイティングなことでもあり怖い事でもありました。
というのは時間の制約があったのはもちろんのこと、この映画には4ヶ所の舞台(ニューヨーク・ロンドン・パリ・スペイン)が出てきますが、それを全編バルセロナで撮影しなければならず、いかにそれぞれの舞台だと観客が思えるか? というところ

★インタビュー(interview)
2008/05/30 19:16



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