日本は意外と広かった。

昨日、後輩(松下政経塾)の結婚式で弘前を訪れた。
初めての青森だったが、真冬の雪国というのが、
ぶあつい純白の布団をかぶせたように
雪に覆われてしまっているという光景に、全く驚いてしまった。
今まで知識の上では知っていたはずであるし、映像としても目にしているはずなのにである。

短い滞在ではあったが、
丘陵に広がる白い綿帽子をかぶったリンゴの木々や、
長い冬を過ごすための保存食の種類の多さ、
町のあちこちに飾られたねぷたの武者絵、
温泉に長逗留して体をいやす湯治の伝統の名残など、
同じ日本でも所変われば、気候も文化も風景も食も違うんだなあと、
今更ながらに感心した。
特に感動したのは、新郎である後輩K君に今朝町を案内してもらった時に聞いた話。
昔は学校が木造校舎であったころ、雪を校舎の中に入れて掃除したという。
雪を入れて箒で掃くことで、雪が埃を吸いつけて床がぴかぴかになるのだそうだ。
土地土地には、知恵も風土に合わせて多様化する。

昨今は、メディアや交通網や大規模流通システムの発達によって、
どこに行っても、同じような文化、店、品物、食べ物という風なので、
本来は土地によって風土、文化が違っていたのだと気がつくことが少ない。

しかし雪を使った掃除のように、その土地の特色を反映させた知恵や文化は、
外から来た者を唸らせるものが多い。

多様であることは効率が悪くコストがかさむイメージを抱かせるが、
多様な環境に対応した知恵こそがそのよいところを活かして無駄が少なく、
またリスクを分散することにもなって全体としては効率が良いのではないかと思われる。

そして、多様な文化があることは、
その文化の数だけ発見や魅力があるということであり、
そこに異なる文化同士の交流や摩擦や融合による化学反応が起こり、
新たな創造を生み出すもととなる。

さらに、異なる気候、風土をもつ土地同士は、
たとえば食一つにとってもお互いにないものを融通しあい、
補完関係になることができる。

あるいは、地理的に離れているというだけで、
どちらかが災害に見舞われたときに、
助けに行ったり、受け入れたりできるかもしれない。

ゆるキャラやB級グルメも悪くないが、
長い時間をかけてその土地で培われた
何でもないと(あるいは恥ずかしいなんて)思っている知恵や文化に、
他者を引き寄せる思いもよらぬ魅力が潜んでいるのではないだろうか?

もう少し足元を見直してみる価値はありそうだ。

2012/01/10 00:31



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