コラム302 高血圧は「仮面」も「白衣」も臓器障害のリスク――大迫町研究、久山町研究から
日本を代表する大規模地域コホート研究である大迫町研究と久山町研究から、仮面高血圧や白衣高血圧が、慢性腎臓病(CKD)をはじめとする臓器障害に関連することが、滋賀県大津市で開催された第32回日本高血圧学会総会で報告された。
大迫町研究からは、CKDの発症リスクとの関連について東北大学大学院臨床薬学分野の菅野厚博氏(写真1)らが発表した。対象は、岩手県花巻市大迫町で24時間自由行動下血圧の測定を含む健診を受けた1023人(平均年齢65歳前後)。昼間自由行動下血圧と随時血圧でのそれぞれの基準を用いて、対象者を持続高血圧、仮面高血圧、白衣高血圧、正常血圧の4群に分けた。蛋白尿陽性、推定糸球体ろ過率(eGFR)が60mL/min/1.73m2未満の少なくとも1つを満たす人をCKDとした。
Nikkei BP Net 09/10/6
「病院で測った血圧だけ高くなります。」、「職場で緊張すると高くなります。」このような血圧を「白衣高血圧」、「仮面高血圧」といいます。一時だけあがる血圧も合併症のリスクがあると言われています。記事にある大迫町研究と久山町研究というのは、大人数で長期間にわたって「生活習慣や健康管理」と「病気や寿命」との関連をみた大規模調査です。このような研究は町全体で全住民を対象に行われることがあります。大迫町研究は岩手県花巻市大迫町で20年以上行われている研究で、高血圧と合併症の関係が広く研究されています。家庭で血圧を測ることで、合併症の危険度をみることができた有名な研究です。久山町研究は福岡県糟屋郡久山町で約48年間も追跡調査されています。高血圧に限らず、糖尿病なども含めて生活習慣病全般について広く成果が出ています。生活習慣病の合併症を予防する方法は、長期間にわたるたくさんの住民の方々の協力と研究者の根気強さから解明されているのだとつくづく思います。
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