ぴあ×チャンネルNECO強力コラボ連載第8弾!!今回は、“勝新時代劇の怪作”について語る!



 「スカパー!」の公認ガイド誌「月刊スカパー!」(ぴあ刊)とチャンネルNECOがコラボする連載第8弾!NECOで放送する映画やドラマの見どころを気鋭の映画ライターさんたちが思い入れたっぷりに語り尽くしてくれます。
第8回の今回は、9月に放送する『御用牙』について、映画評論家の轟夕起夫さんが、“勝新時代劇の怪作”を熱く語る!




“What's Going On”な勝新時代劇の怪作


 いま思い出しても、夢のような時間だった。薮から棒に何の話かといえば、あの“勝新”こと勝新太郎氏に、単独インタビューしたときのことだ。あれは’95年、勝さんが亡くなる2年前。取材中にもかかわらず、即興で生ギターに生唄を披露していただき、もう天にも昇る気分であった。


 むろん、インタビューのほうでもたくさんの名語録を残してくれたのだが、なかでも「デビュー当時の(……つまりは、白塗りの二枚目時代の)映画には火をつけて燃やしたいものはいくつもある」と言い放ち、一方、「“製作 勝新太郎”とクレジットされた映画で、死んだ後に出してイヤなものはひとつもない」と語っていたのが印象的だった。


 今回放映される『御用牙』は、その“製作 勝新太郎”とクレジットされた、勝プロダクションの映画の1本である。勝新は不世出の天才役者であったが、プロデューサーとしても人並み外れた才能を持っていた。ではちょっとここで、『御用牙』前史を。時は'72年。製作に名を連ねた、兄・若山富三郎主演の『子連れ狼』シリーズ(『子を貸し 腕貸し つかまつる』『三途の川の乳母車』『死に風に向う乳母車』)は大ヒットを記録。これは原作:小池一雄(現・一夫)、画:小島剛夕の人気コミックの映画化で、つまりは70年代に花開き、そして現在も連綿と続いている邦画界の“マンガ作品の実写化”の先鞭をつけたものと言える。


 そもそも勝プロは'71年、本宮ひろ志のマンガを映画化した『男一匹ガキ大将』でこのジャンルに参入していたのだが、『御用牙』は原作:小池一雄、画:神田たけ志の劇画世界へのチャレンジで、配給は『子連れ狼』シリーズと同じく東宝。'72年12月30日公開……ということは、'73年の正月映画! 勝新自ら扮する主人公は江戸北町奉行所の同心・板見半蔵で、“かみそり半蔵”の異名を持つ切れ者である。体制内にいながら、「じゃかまし~ッ」と啖呵を飛ばして権力者にも噛みつき、本作では大奥と奉行所の腐敗へと切り込んでゆく。監督は『座頭市』『眠狂四郎』シリーズをはじめ、数々の傑作で知られる大映時代劇の巨匠・三隅研次。'72年は先の『子連れ狼』シリーズ3本に、この『御用牙』とフル稼働。'75年に病のためこの世を去ってしまったので『御用牙』が勝新と組ん

2011/08/22 11:34



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