ぴあ×チャンネルNECO強力コラボ連載第11弾!!今回はあのフォークの神様が主演した作品について語る!
「スカパー!」の公認ガイド誌「月刊スカパー!」(ぴあ刊)とチャンネルNECOがコラボする連載コラム。NECOで放送する映画やドラマの見どころを気鋭の映画ライターさんたちが思い入れたっぷりに語り尽くしてくれます。
第11回の今回は、12月に放送する『きつね』について、娯楽映画研究家・音楽評論家の佐藤利明さんが熱く語る!
フォークの神様が主演した幻の映像詩
公開2週間で打ち切られ、それゆえ封印映画扱いされ、見る機会がなかった作品がオンエアされるというのは喜ばしいこと。主演はフォークの神様・岡林信康。“くそくらえったら死んじまえ”の「くそくらえ節」など、プロテストソングで伝説的存在となった岡林は、僕にとっては、あの“はっぴいえんど”を従えていただけでもう神様なのである。
この『きつね』は、破傷風の恐怖をまるでホラー映画のように描いた『震える舌』の野村芳太郎(製作)と井手雅人(脚本)のコンビが、大船育ちの新人・仲倉重郎を監督に迎えて、キタキツネなどを媒介とする“エキノコックス病”に侵された少女と若き科学者との恋を描いた作品だ。
当時、映画の原稿を書き始めたばかりの僕は、あらぬ期待を抱いて松竹の試写室で『きつね』を見た。『北の国から』や『キタキツネ物語』で、すっかり北海道の親善大使のようなイメージとなっていた“きつね”が、恐ろしい病気の宿主だったという、ホラー風味の難病ものと思い込んでいたからだ。だが、期待は見事に裏切られた。一般公募で選ばれた当時14歳の高橋香織の眼ヂカラに圧倒された。少女という時代にしかない、ふとした表情の危うさ。周到に計算されたドラマの中の、計算しようがない美しさに魅了された。
初夏の根釧原野。北海道で低温科学を研究する35歳の科学者・緒方(岡林)が、14歳の少女・万耶(高橋)と出会う。彼女は緒方に淡い恋心を抱き、人妻(三田佳子)との不倫に疲れていた緒方は、少女のひたむきさに心を動かされる。
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