[データ] 電通「日本の広告費2009」を発表

 「日本の広告費2009」が電通から発表されました。それによると2009年の日本の総広告費は前年比88.5%の5兆9,222億円で、なんと2年前(2007年)に比べて1兆円以上も減っています。

 媒体別広告費についてはおおよその数字は事前にわかっていたので、それ自体に驚きはありませんでしたが、ついにインターネット広告費が新聞広告費を抜いてしまいましたね。河内孝さんは「次ぎに来るメディアは何か」(2010年1月 ちくま新書)の中で、新聞広告費は「2010年代の早い時期に、インターネット広告に抜かれると見られている」と書いていらっしゃいますが、2010年を待たずして抜かれてしまったわけですね。

 マス四媒体広告費は、前年比85.7%の2,793億円と大きく落ち込み、中でも新聞広告費は前年比81.4%の6,739億円となり、インターネット広告費(前年比101.2%の7,069億円)に抜かれてしまったのです。また、SPメディア広告費も前年比88.2%の2兆3,162億円と2年連続の落ち込みで、屋外広告、交通広告、DM、折込広告などすべてのカテゴリーでマイナスとなっています。

 マス四媒体の業種別広告費では、衆院選の影響で政党広告等が増えた「官公庁・団体」を除く20業種が前年比マイナスとなり、不況の影響を色濃く反映しています。

 そうした数字の中で私が一番気になったのは、『日本経済の成長と「日本の広告費」』という表です。この2年間(2007〜2009)のGDPの前年比は、それぞれ98.0%、94.0%ですが、対して広告費の前年比は、それぞれ95.3%、88.5%とGDPの落ち込み幅を超えて減少しています。
 以前、私が広告代理店に勤めはじめたころは、日本の広告費はGNPの約1%で国防費とほぼ同等でした。その後バブル経済期に広告費は急膨張したわけですが、今は年々マイナスとなっているわけです。

 このような数字を見ている限り、広告費の減少という現象(ダジャレじゃないです)は、全体のトレンドとなっており、単にマスメディア広告費がインターネットにシフトされたという単純な話ではありません。もはや「広告」という形態でのマーケティング・コミュニケーション活動自体が衰退期に入ったと言っても良いでしょう。
 以前、西正さんが「メディアや広告代理店は、企業の広告宣伝予算ではなく、販促予算を取りに行け」というようなことをおっしゃっていましたが、その分野では販売につながる「効果」が見えやすい、インターネットによる販促コミュニケーションに利があったわけで、大きな投資が必要にもかかわらず効果が見えにくいマスメディア予算は、不況で真っ先に削られてしまったのです。そのころ(一昨年末くらいまで)は、マスメディア広告予算がインターネット広告予算にシフトするという「広告⇒広告」のシフトにすぎなかったのだと思います。

 しかし、この一年で状況は大きく変化しました。つまり、マスメディアであれインターネットであれ、企業が「広告」につぎ込んでいた予算を減らしてきているのです。では、それらの予算をどこに振り向けたのかと言うと、おそらくは自社メディア(WEBサイトやメルマガ)の充実とソーシャルメディアの活用ではないかと私は思っています。
 もちろん、全体的に予算を縮小しているのでしょうから、いままで使っていた広告費をすべてそちらへシフトしたとは考えられませんが、そういった「広告費」という括りでは統計に表れない予算というのは、確実に増えていると思います。

 こうした不況下においては、直接的に売り上げに結びつく「販促」施策が求められそうだというのは、ある意味素人考えなのではないかと思います。こういう時にこそ、企業はその基礎体力を養うべきであり、そのため(ブランド価値や顧客との関係性のの向上など)のコミュニケーションにとって、広告ではなくソーシャルメディアを活用することはとても有効ではないかと思います。

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2010/02/22 16:35



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