【2011年ウィンブルドン】リシキが全仏女王の李娜を破る ローランギャロスを去った姿が対照的だった。李娜はアジア選手として初めてグランドスラムを制覇。人生最高の瞬間を味わった。一方のザビーネ・リシキは予選からの出場を強いられた。本戦2回戦ではベラ・ズボナレワに逆転負け。最後は全身けいれんに見舞われて動けなくなり、担架に乗せられてコートを去った。
09年のウィンブルドンでベスト8に入り、一躍、注目を浴びたリシキ。女子で屈指のビッグサーブと、ガッツむき出しのプレースタイル。ドイツで生まれ、錦織圭と同じIMGアカデミーを拠点活動している。09年8月には自己最高の22位までランキングを上げた。ところが、2010年春に左足首を痛め、5カ月近くツアーを離れる。復帰後も調子は上がらず、トップ10入りも視野に入っていた選手が、前述のようにこの全仏は予選を戦ったのだ。
ズボナレワ戦は、見ている限りでは、もう少し早く棄権してもよかった。しかし、彼女の執念がそれを許さなかったのだろう。その勝利への飢え、執着心がこのウィンブルドンで実を結んだ。全仏を制した李娜を破る番狂わせ。コートで喜びの涙を流したリシキは、インタビューでこう話した。
「ケガからの復帰は長く苦しい道だった。ゼロからのスタートだった。左のふくらはぎには筋肉がなくなってしまい、私は歩くことから練習しなければならなかったのよ。でも、だからこそ、今、この瞬間の充実感があるのね」
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