【USオープン】フェデラー、無念の逆転負け。決勝進出を逃す ショッキングな光景だった。2セットアップを追いつかれ、さらにマッチポイントを挽回されて、ロジャー・フェデラーが敗れ去った。
「ゲーム運びは完璧だった。でも、仕上げに失敗してしまった」
会見でのフェデラーは、いつものように穏やかな口調ながら、言葉の端々にフラストレーションが顔を覗かせた。それはそうだろう。ランキング1位のジョコビッチを土俵際まで追いつめながら、最後にひっくり返されたのだ。
「あの1本だ。あれですべてが違ってしまった」
もちろん、マッチポイントでのジョコビッチのリターンエースを指している。
「もう少しいいサーブを打つことはできたと思う。でも、そういう問題じゃないんだ」。
フェデラーは言う。
「どうやったら、相手のマッチポイントであんなリターンが打てるのか、理解できないよ」
ジョコビッチが一か八かのギャンプルプレーに出て、賭けに勝った、と言ったら乱暴すぎるだろう。ジョコビッチも「ロジャーのような選手と戦うときは、リスクを冒す必要がある」と語っただけだった。
あのショットを成功させたのは、ジョコビッチの勇気であり、また、彼の運だ。入るかは入らないか、確信はなくてもチャレンジしてみる。そもそも、テニスとはそんな瞬間の繰り返しだ。
「受け入れて、切り替えるしかないね」。
フェデラーは自分に言い聞かせているようだった。
肩を落としてアーサー・アッシュスタジアムを去ろうとしたフェデラーだが、「5度のチャンピオン、ロジャー・フェデラー!」とアナウンスが流れると、振り向いて右手を挙げ、ファンの歓声に応えた。再び歩き出したフェデラーは、真っ赤なリストバンドを腕から外し、観客席に放り投げた。激しく肩入れしてくれたニューヨークの観客への、別れの挨拶だった。
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