自然治癒力は骨盤の運動がつくる気になるシワと体重の増加は、皮膚の表面や脂肪のマッサージなどではほとんど効果は見られません。体の中から根本的に変えていくことが、結局は早道なのです。そのためには
自然治癒力を高めて、健康な体をつくる必要があります。
誰もが生まれながらにして持っている自然治癒力。この力を最も高めているのが
呼吸作用です。
呼吸の重要性はお釈迦様の時代から説かれています。現代でも座禅の呼吸法、ヨーガなど、
様々な呼吸による健康法があります。
「呼吸」 と聞くと、まず思い浮かべるのが肺です。人間は肺呼吸をしていますから、もちろん
体内器官としての肺は重要です。しかし、実際に 「呼吸」 という作用は、骨の運動によって
行われているのです。
深呼吸をしてみましょう。息を吸って、吐く。すると胸が膨らんで、再びへこみます。この時
動いているのは肺そのものではなく、ご存知のように、その下にある横隔膜(胸部と腹部とを隔てる
筋肉の膜)です。さらに、この横隔膜の動きに関連しているのが、骨盤の中心にある仙骨という
重要な骨なのです。
仙骨は体の中心にある非常に不思議な骨です。人は母親の体内から生まれたとき、産声を
あげます。このとき一番最初に動くのは肺ではなく、骨盤の中央にある仙骨です。
そしていのちが終わるとき、息を引き取る瞬間に動くのも肺ではなく、仙骨なのです。
人が生まれてから死ぬ最後のときまで、「呼吸」 を支配しているのが仙骨という骨なのです。
この骨の機能は、私たちにとって、非常に大切です。体の中心をなす背骨。これを下から
しっかり支えているのが骨盤の中心部にある仙骨で、背骨の上を支えているのが後頭骨
(頭蓋骨を構成する骨)です。仙骨と後頭骨は驚くほど似通った三角形をしています。
アメリカの著名なカイロプラクティック・ドクター、デジャネット氏とデンジャフィルド氏は、
「呼吸運動は肺ではなく、骨盤の中心にある仙骨の前後運動と頭蓋骨の後方にある
後頭骨の前後運動による相反作用によって起こる」 という説を発表しました。
この説を簡単に説明しましょう。
息を吸うと背骨が動き、逆三角形の形をした仙骨の先端が前方に傾きます。同時に後頭骨は
後方に傾きます。
息を吐くと、これとは逆の作用が起こります。仙骨の先は後方に傾き、後頭骨の先端が前方へ
傾くのです。
この二つの動きによって、横隔膜が動いて肺が収縮弛緩し、初めて呼吸が出来るのです。
また、この運動は脊柱(背骨)管の中の脳脊髄液を押し上げたり、押し下げたりする一種の
ポンプのような役割を持っています。
体の中に酸素を取り入れる器官は肺であっても、実際の呼吸運動は仙骨と後頭骨、背骨という
三ヶ所の骨の運動で行われているのがわかります。そのため、仙骨を中心とした骨盤に歪みが起こると、呼吸作用にも障害が出てきます。
症例:(老婦人)、風邪気味で息が切れてしょうがないと訴える。特に駅の階段を上り切った
時の息切れがひどく、その場に座り込んでしまうこともあるといいます。
調べてみると、右の骨盤が極端に上がり、体全体が前方へ「くの字」に曲がっています。
この 「くの字」型姿勢が正常な呼吸運動を妨げ、息切れの原因になっていたようです。
骨盤の歪みを調整、緊張していた筋肉を和らげ 「くの字」 体型が80%位回復し、
呼吸もほぼ正常に戻ってきました。
以上のように、息が切れる、息苦しい、ぜんそくなどといった症状で悩む人は、のどや
気管支、肺などに原因を求めがちです。
しかし、根本的な問題は、仙骨、後頭骨の前後運動に障害があると考えるほうが正しい
のです。
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