新学期

 早めに咲き出した桜が入学式前に散ってしまうのでは?

と危ぶまれたが、ひどい寒さのために冷蔵保存されたようで

丁度4月はじめの入学式シーズンに満開を迎えた。

自然の冷蔵庫の威力はすごい。こんなに満開までに

日数がかかったのは初めてだそうだ。

 

  新入社員のスーツ姿が街になじみ始めると

高校生の真新しい制服と鞄が慣れない面持ちで

電車やバスに乗り込んでくる。

  

  馴染んだ環境から、一転して新しい環境に変わると

誰もが戸惑う。新しい学習内容・新しい先生・新しい仲間

新しい仕事・新しい上司‥今まで慣れ親しんだやり方が

通用しない、初めての体験‥。

  

  「友だちってどうやってつくるのでしょうか?」

そんな相談が持ち込まれることも少なくない。ごく自然に、容易に

人と話せて、すぐに友だちができる人にはわからないだろうが

少しゆっくりな人は、周囲がそれぞれに打ち解けていく、そのスピードに

ついていけず、取り残されたような感覚を持って、あれれ?なんだか

孤立している‥みたい‥と不安になる。

 

   あるいは、あの先生怖い‥とか、大きな声でガンガン授業して‥

苦痛‥という話も時々ある。自分が怒られているわけでなくても

怒鳴り声を聞くだけ‥ですくんでしまう‥という人は小中高を問わずいる。

.

  職場では怒られ慣れない新入社員が、萎縮して辞めていくこともあるらしい。

先日、TVで「叱る研修」というのが紹介されていて、講師は、「ダメじゃないか!

もっと〇〇しなきゃ!」とどなってばかりいる。そうやって、怒られることに

免疫を持ってもらうのがねらいだそうだが、怒られることに慣れてしまって

肝心な内容をスルーしてしまっては意味がないのでは?と思ってしまった。

  

  脳の仕組みからも、馴染みの法則‥というのがあるらしく、人間はつい

慣れ親しんだ考え方、行動パターンを繰り返してしまうもので、それとは違う

やり方を身につけるには、新しい脳の回路を作ることになるので、練習や

経験を積み重ねることが必要だという。

  

  ‥ということは、友だちを作ることも、新しい環境になれることも、

新しい勉強法や、仕事を身につけることも、人によって差はあるだろうが

かなりの時間と労力を要するものだと心得ておいた方がいい。中には

半年から1年近くかかる人もいる。

  

  新人を迎える指導者も、周囲の人々も、要領よく馴染めないひとを

観察してほしい。そして、決して、せかしたり、叱咤激励しないで

その人のペースを見守り、具体的な困りごとの相談に乗ってほしいと思う。

 

2009/04/21 17:28



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